蔑めないし貶めない

自分の最大の欠点は人をバカに出来ないことだと思っている。馬鹿なヤツをバカとは言える、いやむしろ積極的に言ってるくらいなのだが、人をバカと呼ぶのと人をバカにするとでは全然違う。

小馬鹿にする、という言い方をするともっとわかりやすいかも知れない。

人をバカ(小馬鹿)にするのはバカでも出来てしまう。自分だけの価値観がいちばんだと決めて仕舞えば良いだけだからだ。

例えば蚊に刺されたとして、どんなに痒くても掻かないで我慢するのがエラいと思っている人は、すぐ掻いちゃう人を、自分の価値観の範疇に於いてバカ(小馬鹿)に出来るわけだ。

何事かを決して諦めずに一所懸命やっているひとを「バカだなあ」というのは、そこに愛情さえ感じられる時もある。「俺もバカだから、、、よっしゃ手伝ってやるか!」みたいにね。

だけどそんな時に「今更何になるんだよ、ケッムダムダ」なんて言ってバカにするようなことは俺には出来ない。どんなにバカであってもだ。

昨年知り合った人で「へえ、、、オヲノさんでもそんなことやるんですかぁ」とか「自分だったら出来ない(やらない)っすね絶対」とかそういう感じでものを言う人がいた。なんだかあきれたような、投げやりな口調なんだよな。

あ、俺のことバカにしてんだな、とは思ったんだけれど、まあそれはそれでしょうがねえか、とも思っていた。言ってもわからないだろうし、直すこともないだろうし。ただその時に「俺はこういう言い方をしたことは一度も無いな」ということに気づいた。

それでも、それでも俺はその人のことをバカには出来ない。一度は信頼して俺なんかの話しを聞いてくれるようになったんだもんな、というふうに考えてしまうんだ。

これが若いうちなら「純粋さゆえの、、、」とか小理屈もつけられようが、還暦過ぎのジジイではシャレにならない。やっばりこれは大きな欠点だよな。

欠点は是正すべきだからね。さっき挙げた人とも縁を切ることにしたよ。バイバイ。
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