潮時 -しおどき-

昔、「別れさせ屋」というのがいたらしい。男女の関係のみならず、別れたいと思うほうがいかにして相手に嫌われず恨まれないように別れられるようにするかを考える、一種のコーディネーターのような仕事。

実に巧妙にコトを仕組んでいくという。

恋愛の場合は「別れたい」ほうが「別れたくない」ほうの相手がめちゃくちゃ好みの魅力的なタイプの浮気相手（これが「別れさせ屋」）を近づける。相手が誘惑に乗ったところで、「そんな人だったのか！」と詰る。不貞を責めて別れるように持っていく。

会社などの組織の場合も同様。「別れさせ屋」はやめさせたい社員にプライベートな場で気さくに近づき、個人的な信用度を高めてから、会社を裏切ってでも乗っかりたいような儲け話や引き抜きなどをチラつかせる。そこに乗っかったところで、会社の上司が登場、「なんだチミは！これがバレたらどうなると思ってるんだ」と責め立てて、自ら辞職するように諭していく。

チームでやる。私立探偵が相手をくまなく調べて情報を脚本家に渡す。脚本家はリアリティのあるストーリーを作って、実際の「別れさせ屋」はベテラン俳優がやる。

なんだか映画のようでいかにもフィクションっぽいなあと思うが、政治の世界なんかではこういうチートは頻繁に行なわれているんだつてさ

やられるほうも何となく察したりすることも多いらしいけれど、「あっ自分は疎んじられているんだ、邪魔者なんだ」と気づいた時点で自ら身を引く、なんてケースも多いんだとか。

そういうような話を昨日暇潰ししている最中に聞いたんだ。

教訓としては、

「察しろ」ということですかね。