春一番と聞いて

春一番とは、冬から春への移行期に初めて吹く暖かい南よりの強い風のことです。気象庁の定義では、2月4日ごろの立春から3月20日ごろの春分までの間に、広い範囲で初めて吹く暖かく強い南風のことをいいます。(google)

今日はずいぶん風が強い。こりゃアレかなと思って調べてみたら、

関東地方で春一番 昨年より2週間早い春の便りに

なんともうひと月以上前(2/15)に吹いていた。ナンタルチア、サンタルチア。

季節に関するワードって実際の季節とはずいぶん違う。

春一番」は冬に吹く。

「初夏」は5、6月。

「残暑」は8月上旬。

「小春日和」は10月。

これらはやはり旧暦というものが大きく関わっているんだろうね。


春一番、というお笑いタレントがいた。もう亡くなってから10年も経つ。好きだったな。ほぼほぼアントニオ猪木(彼も亡くなったんだ…)のモノマネだけのひとだったんだけれど、なんか何を言っても面白い。そしてそこはかとなくペーソスと少しだけのアイロニー。とにかく酒好きでそれで亡くなったと聞く。昭和時代には数多いたような典型的な「芸人」って感じだった。

春一番と聞くと思い出すのはキャンディーズ。キャンディーズ、すごい良質のポップソングをたくさん世に送り出した。

但し思い出す曲は「春一番」ではなくて「微笑がえし」。

歌の出だしが🎵春一番が〜、なんだよね。阿木燿子さんの素晴らしい歌詞。キャンディーズのヒット曲のタイトルをたくさん織り込んである、それだけでもすごいテクニックだと思うんだけれど、若者が青春を振り返る時に感じる共通のセンチメンタリズムがぎゅっと詰め込まれていて、強烈なシンパシーを感じさせる。しみじみ聞いていると涙がこぼれてくるくらい心を揺さぶられる。

メロディーも素晴らしい。そしてお別れの悲しい曲なのにメジャーコード進行。で、最後の最後にワンコードだけマイナーコード。これもすごい感性。何度聞いても感動させられる。

昭和の歌謡曲は奥深い。クリエイターたちは自分の思いつく限りの感性をその作品に注いでいた。ワンアイデアだけでつくってないんだよな。それがね、今聞いても色褪せない理由だと思うんだ。

もちろん、駄曲もたくさんありましたよ。玉石混交でね、その中から良い曲を見つけた時の嬉しさったらなかった。いまみたいにネットで聴き放題じゃないからね。探すにもひと苦労、でもそこに楽しさがあった。見つけた、出会えた喜びも大きかった。楽しかったなあ。

皆さん、春です。
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