ご隠居さん

水戸光圀こと水戸黄門のことを劇中で「水戸の御隠居」と呼ぶ時がある。 落語でも「ちょっくら御隠居さんのところへ行って聞いてくらあ」と熊さん八っつあんが走って行ったり。 今は仕事をリタイアして日がな縁側などで日向ぼっこの「ご隠居さん」はいろんなことをよく知っている頼りになる人である。 で、実際こういう人っていたかな、、、と記憶を探ってみるが、うーん実際にはいなかったっぽい。昭和の良き時代にひとりくらいいたような感じだけれどねえ。 近い人はいた。子供の頃に近所にあった理髪店、床屋さんのFさん。よくいろんなことを知っていてね、わからないことがあったら聞きに行ったり、散髪している間に故事などをよく教わった。しかしお歳は召していらしたが現役の理髪師だったからなあ、ご隠居では決してなかった。 今日、ずっとウチにいてなすすべもなく佇んでいるうちに「隠居」というワードがふと浮かんだ。 幸か不幸か、まーだまだ隠居などできる身分ではないのだが。 でも「御隠居さん」っていい響きだなあと思った。ドロドロさがない枯れてる感じのすっきりした人格者のようで。

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