いまいちばん自信のある自分の曲

昔、よく「ビートルズでいちばん好きな曲は?」と聞かれた。 いちばん、と言われているわけだから2曲以上挙げるのはダメだろう。かといって1曲だけ挙げるのは難しい。ビートルズの大ファンである俺にとっては言ってみればビートルズの曲はほほ全曲好きだからね。 その時にふと思いついたのは「いまの気分で」という条件なら選べそうだということ。これはうまくいった。この後この類の質問には必ず「今の気分で選ぶなら…」と答えるのが常となった。 自己評価って難しい。俺は俺の実力というか俺の正当な評価はどんなものなのかがちっともわからない。 音楽制作に関することで言えば、ミックス・ダウンは今までかなり良い評価を貰ってきたと思う。あと、編曲。アレンジ。これもありがたいことに今まで良くないと言われたことはほとんどない。 作詞、作曲は…と言うと、これもダメと言われたことはあんまりない。そのかわりすごくいい!と言ってくれるのはほぼミュージシャンだけである。一般の人には「難しい」と言われることがけっこうある。 作詞・作曲してきたモノはほぼほぼポップスなので、例えばプログレッシブロックや前衛音楽みたいに難解な曲はほとんどない。コード進行やリズムなどに凝ったり、詩にしても暗喩や何かの引用をつかったりする方ではないので、自分ではかなりストレートにつくっているつもりなんだけどね。 いまの気分でいちばん聴いてもらいたい自作曲はこれです。 霧の中 kiri no naka

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あだやおろそかに

そう簡単に言ってはいけないことってある。 特に精神疾患に関わることは慎重に。当該者にとっては言われると本当に辛い言葉ってあるんだ。 もう30年前になるが、うつ病と診断された。そして検査入院をすることになった。うつ病は脳出血や脳梗塞が原因になることもあるので、それを確かめる目的で、と言われた。連日MRI、CTスキャン、脳波の検査などでひと月入院した。 入院病棟には俺のような検査入院でというのはあまりいなかった。 いろんな人がいた…。本当に辛そうな人、一所懸命自力で立ち直ろうとしている人、そわそわしている人、諦めたかのように無力な人…。 とにかく自分を見失っている感じの人ばっかりだった。 お医者さん、看護師さん、病院側の人たちはとにかく喋る言葉にとても気をつけているようだった。 自分がいる時には特に大きなアクシデントは起きなかったけれど、自分にとっては常になにかいつか爆発するか分からないような怖さを感じた。すごく漠然としていて卑近な感じとか直接的な雰囲気とか具体的な予兆みたいなのは全然なかったんだけどね。 俺は失語症になっていて、何か喋ろうとすると吃音になってしまって呼吸が苦しくなってくる。ドキドキと動悸が高まって緊張してしまう。この「喋る機械」と言われた俺がですよ…。 入院患者さんには午後に「レクリエーション・タイム」というものがあって、卓球か映画鑑賞かが選べるようになっていた。もちろん強制ではないけれど意外と参加者は多かった。卓球の方が断然多く…

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「君が代」一考

どうしてだかわからない 「君が代」が嫌ならなぜ新しい国歌をつくろうとしないのか。というか誰もそれを言い出さないのはなぜなのかね。 「君が代」斉唱と言われたら、いや自分たちは自分たちでつくった歌を歌います!と言えば良い。すごく健全な考え方だと思うんだけれどなあ。 ちなみに俺は「君が代」は嫌いではない。ただ伴奏はもっと違うのものをつくったらいいのに、と思う。 忌野清志郎の「君が代」には大きなショックを受けたもの。あの後、誰も続かなかったのが不思議だ。清志郎は政治的な意図はなかったとは言っていた。好きだったのか嫌いだったのかは知らない。でもだったら「君が代」が好きな人は、国歌としてにこだわらずにいろんなところでいろんなタイミングでもっともっと歌えばいいのに。ポップソングにして仕舞えば案外流行るんじゃないかな、とか考えたりする。 国歌として「君が代」が嫌いな人がいて、その人たちがどうしても国歌斉唱の時に歌いたくないというならそれはそれでしょうがないとも思う。でもそれなら自分たちで新しい国歌をつくろう!という気運が「君が代」が嫌いな音楽家のなかから起こらないのがホント不思議でしょうがない。 どう考えても不思議だ。

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